占い師の恋【完】
私より低い身長で、少し上目遣いになりながら私を見上げる棗ちゃん。
私もその瞳から目を離すことができない。
「まっきーが辛いなら、棗は力になるよ。話だって聞くし力になる。」
「…棗ちゃん。」
「うん。」
「どうして、私のことそんなに…、」
私がそう尋ねれば、ちょっと吃驚したように目を見開くとすぐに優しく笑う。
「友達だって、言ったじゃない。」
「っ…、な、つめちゃ…、」
「ふふ。まっきー、泣き虫さんだ。ウチおいでよ。お話しよう。」
私はそのまま棗ちゃんに腕を引かれるまま、自分の歩く足を彼女の家へと目的地変更。
さらに涙が出たのは、私の腕をとる棗ちゃんの手首に、私と同じブレスレットが揺れていたから。
それを見て、また泣き虫だって言いながら笑う棗ちゃん。
今は、本当に彼女の優しさに救われた。