占い師の恋【完】


私より低い身長で、少し上目遣いになりながら私を見上げる棗ちゃん。

私もその瞳から目を離すことができない。


「まっきーが辛いなら、棗は力になるよ。話だって聞くし力になる。」

「…棗ちゃん。」

「うん。」

「どうして、私のことそんなに…、」


私がそう尋ねれば、ちょっと吃驚したように目を見開くとすぐに優しく笑う。



「友達だって、言ったじゃない。」

「っ…、な、つめちゃ…、」

「ふふ。まっきー、泣き虫さんだ。ウチおいでよ。お話しよう。」



私はそのまま棗ちゃんに腕を引かれるまま、自分の歩く足を彼女の家へと目的地変更。


さらに涙が出たのは、私の腕をとる棗ちゃんの手首に、私と同じブレスレットが揺れていたから。

それを見て、また泣き虫だって言いながら笑う棗ちゃん。


今は、本当に彼女の優しさに救われた。

< 220 / 402 >

この作品をシェア

pagetop