占い師の恋【完】
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「まずは落ち着こうな?」
「ごめんなさい。」
あの後叫び続ける私の口をものすっごい形相で睨みつけ中に引きずり込んだ風見さん。
そのままリビングへと連れて行かれ、二人掛けくらいのソファに放り投げられた。
反対側のソファにゆっくり腰掛け、今に至る。
でも、でも…!
あんなに可愛い棗ちゃんがこんな、こんな…!
「こんなオッサンと…!」
「俺の目を見ろ茉希。今すぐあの世に送ってやるぞ。」
「ご遠慮いたす。」
そんなやり取りを交わす私と風見さんが座るソファに挟まれるようにある机の上に置かれたのは…。
「棗ちゃん。これは…、」
「やっぱお酒かなと思って。焼酎。」
「…棗。せめて酎ハイ出せ。」
ドン、と置かれた焼酎(大ボトル二本)を嬉々に開ける棗ちゃんを初めて怖いと思った。
「茉希。棗のペースにはのまれるなよ。」
私の耳元で溜め息混じりに囁いた風見さんはこれから目の当たりにする光景を物語っていた。