占い師の恋【完】


゙友達だから゙って。
言ってくれた棗ちゃん。


「ありがとう。」

笑ってそう言えば、また萌えるとか言われて抱きつかれた。


棗ちゃんの萌える基準がいまいちよく分からない。私なんかに萌えてたら、レベルがどんどん下がっていくと思う。

君、馬鹿にされちゃうぜ?


「煙草買ってくる。」

「あ、じゃあついでにプリン買って帰ってよ!」

「私シュークリームで。」



財布を持った風見さんの報告に、私も棗ちゃんもおつかいを頼む。

「太るぞ」と笑った風見さんだが、嫌みを言っただけでどうやら買ってきてくれるようだ。


部屋を出て行こうとする風見さんの後ろ姿に、名前を呼べば「あ?」なんていつも通り。



「ありがとうございます。」


私がそう言えば一瞬目を見開き、フッと笑うと


「利子つけて返せよ。」



意味は伝わったと思う。風見さんはニヤリと意地悪な笑みを浮かべて、そのまま部屋を後にした。

ほんとに…分かりにくい人だ。

ははっと笑ってしまった私のポケットが震える。

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