占い師の恋【完】
ポケットからメール受信を知らせるメロディーに一瞬肩を上げて、すぐに取り出す。
ディスプレイには
――――――――
メール1件受信
風見さん
――――――――
今朝別れ際に一応連絡先を交換したんだっけ。メールを開けば、何ともあっさりした文面で。
“どういたしまして。”
絵文字も何もない、風見さんらしいっちゃらしいメールの内容。
“ついでにおにぎり買って帰ってください。絶対ツナマヨで。”
返信を送れば、十秒もたたない内にまたけたたましく着信音が響く。
“調子のんな。後で覚えとけ阿呆。”
――…しばらくして。
帰って来た風見さんの持つコンビニ袋の中にはちゃんと、プリンとシュークリームとツナマヨのおにぎりが入っていた。
何だかんだこの人は優しいと、一人小さく笑ったのは秘密だ。