占い師の恋【完】
ぺろりとシュークリームとおにぎりを平らげ、棗ちゃんが淹れてくれた珈琲を飲んでいると。
「あ。それ!」
「え?」
右耳にかかる髪を耳の後ろへかけた瞬間。
突然大きな声を出した棗ちゃん。
私の右耳朶をツンとつついてニヤリ。
「あっ君だ?」
思わず珈琲を吹き出しそうになってしまい、ゴッホゴッホとむせる。
その反応を見た棗ちゃんはさらにクスリと笑ってみせれば。
「あっ君独占欲強いからね。渚相手でも怒ったんでしょ?」
「ま、俺に適う訳ないだろ。」
ハッ!とバカにしたように鼻で笑った風見さんだけど、青のことは好きなんだろうって思う。多分。
あ。そっち系とかじゃなくて、多分友達で。(多分つけたら、この人やばいんじゃ…。)
訂正します。棗ちゃんと付き合ってるらしいから多分はないです。
「そう言えば、あっ君は?」
「分からない。一週間前からいない。」
「いない?連絡は?」
「とれない。連絡先知らないの。」