占い師の恋【完】
青はそう言うとゆっくり立ち上がり、くるりと踵を返す。そのまま出口の方へと歩いて行き。
ただただその後ろ姿を見つめていると、急に振り返った青に吃驚して体が強張る。
「゙またね゙、マキ。」
くすくすと笑い声だけを部屋の余韻に残し、青は部屋を出て行ってしまった。
…………゙またね゙?
――最後に、引っかかる言葉を残して。
まあ、言い間違いとかだろうし。第一また現れてもらっても困る。
風のように現れ、風のように去ってしまった綺麗顔の男のことは忘れようと思った。
2人の出会いは、
占いによって
引き寄せられた
あの男に゙気に入られだ時点で。
――私の世界はカワル。