占い師の恋【完】


――じめじめとする外の空気とは打って変わって、クーラーがきいて人工的に涼しいこの場所。


そう、コンビニという現代の素晴らしく便利なこの場所に、来店してから早30分。

何か買うわけでもなく店内を物色する私を、店員さんが白い目で見ていることには気付かないフリ。



「(涼しいー…。)」



取りあえず。カゴを手に取りミネラルウォーターと野菜サラダを入れれば、店員がほっと息を吐いたのが分かった。


私は万引きしそうな雰囲気を醸し出していたらしい……。失礼な。



ふと立ち止まった雑誌コーナーで、適当に一冊手に取ってみる。正直雑誌なんか読まないから、どれがどんなのか分からないだけなのだけど。

パラパラとページを捲っていくと、ある誌面に目が止まり、ページを捲る手を止めた。


「…あ、」

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