占い師の恋【完】
店長には初めから私の心情なんてお見通しのようだ。顔を上げてみると、ジャスミンティーを優雅に飲む姿。
「……サングラス、いますか。」
「サングラ…ああ杉君ね。まだ゙一応゙いるけど、ここ数日はお休みするよ。」
「いつ来ますか…?」
また一口。カップへと口をつける店長を見つめていれば、ふふっと笑われてしまった。
それに何だと目を細める。
「さあ、どうだろう。」
意地悪く笑う店長を睨むが、また微笑まれスルーされてしまう。店長は自身の紅茶を飲み干すと、「よし」と呟いて立ち上がる。
と。
「奢ってあげる。バイト終わったらご飯食べに行こう。」
「え…。」
私が見上げると、店長はまたあの笑顔。
「食事が水とカロリーメイトだけなんて、感心しないね。」
やはり、すべて見透かされていた。