占い師の恋【完】
pipipipi―…
(…あー、五月蠅い。)
機械音に目を覚まし、確認したデジタル時計に表示されている時刻はAM 07:00。
早いってわけの時間でもないかもだけど、私にとっては十分早い。
耳障りな、甲高い目覚ましのアラームを手探りで切ると、ゆっくりとした動作でベッドから抜け出した。
裸足のまま床に足をつけると、ひんやりとした冷たさが足裏を伝う。
それがちょっとだけ、まだ夢見心地の私を現実に引き戻した。
カレンダーを見れば、今日は水曜日ではないか。
バイトは今日もある。
なんて思っていると、再びベッドの上にある携帯が鳴る。
「あー…、」
その音楽は、着信を知らしていた。
携帯を手にとり、画面を見るなり電話に出ることを止めたが一向に鳴り止まない携帯に諦めの溜息を吐くと大人しく通話ボタンを押した。