占い師の恋【完】
「僕は、゙君らしい君゙が魅力的だと思うよ。」
「……口説き。」
「あはは、残念だけど。僕は亜希さん一筋だからごめんね。」
「なんで私フラれてるんですか。私から願い下げですよ。」
キッと睨み、そう言った私に店長は一瞬吃驚したように目を見開くとそれを細めて、
「それでこそ茉希ちゃんだよ」と顔をくしゃくしゃにして笑った。
「ばいばーい。」
ひらひらと指の先を揺らして、店長は車を発進させ帰ってしまった。
それならば当然。その場に佇むのは私と
「店長、怖い人だ。」
なんて言って微笑を浮かべる男。私にはあんたの方が十分怖いよ。
と。ふわりと私の体を心地良い温度が包み込んだ。それは勿論、青の体温で――――――。
「茉希…、明日バイト休んで。」
「なんで、」
「お願い。明日、全部話す。」