占い師の恋【完】
「あー…もう!」
ガシガシと混乱する頭をスッキリさせようと、私はシャワーへ向かう。
シャワーから出てきて、軽快なメロディーを奏でながら点滅する携帯に気づき近寄るがそれは嘲笑うかのように切れてしまった。
二つ折りのそれを開いてディスプレイを確認してみればメールが1件。メールで良かったとほっと一息。
開けば、差出人は
{風見さん}
なんだとメールを開けば“メシ食ったのか”と、絵文字も何もない。何ともあっさりとした文面。
だがこういう風にメールをくれることが彼の優しさなんだろうし、きっと今は棗ちゃんと二人並んでこのメールを打ってきたんだろう。
それに“店長に中華料理をご馳走になりました。食べてます”と送れば、数秒もしない内に返信は返ってくる。
勿論、風見さんである。
メールを開けば“カロリーメイトと水だけで済ましたりすんじゃねえぞ”と。脅迫に近い。