占い師の恋【完】
失敗してしまったとそわそわしている私の膝の上にある手に、優しく隣から温かい手が重ねられる。
それは紛れもなく隣に座る男の手で。こんな場なのに、と睨む私に返ってきたのは意地悪な微笑。
やっぱり、コイツには適いそうにない。
「…父さん。お見合い、俺がしたいんだけど。」
そう言って、この空気を変えたのは私の斜め横で優しく微笑むバイト先のお節介な先輩だった。
その顔を吃驚して見たのは私だけ、ではなく。
彼の隣に座っていた愁さんも。
「どっちが見合いしても、結婚してもいいんだろ?」
「それは、構わないが…。」
「だったら俺にさせてよ。愁は俺だけの愁だし。青には彼女が似合ってる。」
「緑がいいなら…。愁さんも緑がいいみたいだしなあ。」
――――――――。
…ん?んんんんん?
ちょっとこれは、私の頭では理解するまでの情報が得られていない。