占い師の恋【完】
こんなに素直に言ってしまうのはキャラじゃない気はするけど。伝えない方がもっとキャラじゃない。
小さく頭を下げて言葉をゆっくり紡ぎ終わった私の頭に優しくのった重み。
それが伸びている方へと顔を上げれば、席を立ちこの場を去ろうとしている杉山さんの微笑み。
「だって俺。先輩、だしね。」
「杉山さん…、」
「またね茉希ちゃん。後は、お二人でごゆっくり。」
くしゃりと私の髪の毛を軽く乱して行った横顔は少し悪戯で。でもその後ろ姿は、とても頼れる大きな背中だった。
杉山さんに続くように、その場を去ろうとした愁さんは私の横で立ち止まり。優しげな瞳を細めた。
「知ったような口で失礼だとは思ったのですが…、どうしてもお伝えしたくて。」