占い師の恋【完】
相手しか見えなくなって。知らない自分がどんどん現れ見えてくる。
――まるで等価交換のような気もする。
リスクが大きければ大きいほど、それ相応の対価がいる。この恋だってそうだ。私と青の幸せのために、誰かの大切なものを奪った。
結局、神様は意地悪なのかもしれない。
そう簡単に、゙幸ぜは手に入らないんだから。
でも、感謝する面もあるのかもと思ったりもする。
だって、青と出会えた。大切なものが見つけれた。それは私だけなのかはたまた青もか…。
゙大切゙んていうものは、私にとって容易いものじゃない。でもそれを見つけれた今、私が過度に思い過ぎていたから見つけれなかったんじゃないかなとも思う。
「茉希、」
優しく甘い声で名前を呼んでくれるコイツが
゙大切゙なんだ。