占い師の恋【完】

また紅茶を喉に流した青は、少し困ったように恥ずかしそうに笑顔を零した。

私もマグカップの縁に口をつけたまま、ただ青の顔を上目遣いになりながら見つめていた。


ふーっと、息を吐き出した青。



「すかした女の子なのかなあとか考えてて。でも……全然違った。」

「…。」

「兄貴が言ってた通り。茉希はただただ真っ直ぐだった。初めて会った時から、勿論今も。」

「…。」

「本当は、写真見た時に一目惚れしてたのかもね。俺この子しか好きになれないんだろうなって。」

「っ…、」



少し意地悪な笑みを浮かべて、頬杖をつきながら私に視線を合わせる青。これは…、コイツは絶対確信犯だ。


にやり、妖艶な微笑は完璧にそうだ。



「っ…、嘘ばっか…！」

「嘘じゃないよ。信じてよ？」



――なんて狡い男だ。