占い師の恋【完】
――私の秘密。
「…私のお母さん、病気で私が小さい頃に死んだの。お母さん、離婚するまでお父さんに暴力受けてて…、私ばただの言葉゙だったけど。」
「…。」
「前、青の前で取り乱したのは…昔お父さんに言われたこと思い出したから。」
「…なんて?」
青はポツリ、この静かな空間に言葉を放った。
それが酷く優しい声で、不覚にも涙腺が緩んでしまう。
「…゙生まれてこなければよかったのに゙って。…で。そのお父さんがこの前仕事先に来た。予約まで入れて。」
「え…、」
「それから何回か来てる。昔のこと謝りに。必ず予約入れて来るからそこら辺は律儀なんだよね。」
少し自嘲気味に笑えば、青は眉間に皺を寄せ苦しそうに言葉を紡ぐ。