占い師の恋【完】
この状況を、中途半端にしたままでいたくない。理由は、ただひとつ。
「私は、お父さんを許すことはできないよ。何度謝られても…。」
「茉希…。」
「……でも、やっぱり…、」
私は、俯き気味だった自身の顔を上げて、お父さんの顔を真っ直ぐに見た。
「やっぱり、私にとって…、どんなに最低なことされても、たったひとりのお父さんなのよ…。」
「……。」
――この気持ちに、嘘はなかった。
確かに、憎くて憎くてたまらなかった。お母さんを追い込んだお父さんを何度恨んだか。
…それでも。
いくら恨んでも、憎くても。お父さんはやっぱり、私にとってたったひとりのお父さんには代わりがない。