占い師の恋【完】
私は、泣いたせいで真っ赤に腫れ上がった目を細めて、頬を緩めると、
「会いに来てくれて、ありがとう。」
「……、生まれてきてくれて、ありがとう。」
父はそれだけ言い残すと、外の闇へと身を投じた。
゙生まれてきてくれて、ありがとう。゙
過去に受けた傷は癒えないだろう。けど、簡単すぎるかもしれないけど。お父さんの最後のこの言葉が、私にとって温かいものだった。
いつか、傷が癒える日が来るのだろうか…。
……それは、ないな。
でも、私を受け止めてくれる大切ななにかを、私自身も見つけれたのだろうか。
その答えは、これから嫌でも分かるはず。