占い師の恋【完】
番外編
温かい君の手で
side:棗
「棗、どれにすんの?」
「えっとー…、杏仁豆腐!」
――夕飯は幼なじみの青(通称、あっ君)の彼女、茉希(通称、まっきー)とお好み焼きを作り。四人で楽しく食事後。
マンションに二人を残して、私と渚は近くのコンビニへと食後のデザートを買いに来ていた。
デザート棚を舐めるように見る私の頭に、大きな手がのる。
見上げた手の主は勿論渚で。端から見れば何て冷めた目で見下ろすのかと思うような目である。
「渚も、杏仁豆腐がいい?」
「…ああ。」
「美味しいもんねえ。」
一見、゙素の渚ば冷たく無愛想に見られがちではあるが、本当はすごく優しい。
その優しさを分かってくれる人達が増えて、嬉しいんだ。