占い師の恋【完】
突然降ってきた渚からの口づけ。驚きで瞬きを繰り返している私。
…え?え?え…?
゙ぼっ゙と効果音がつきそうなほど、一瞬で頬は赤く染る。暴れ出す心臓と共に、全身が一気に熱を持ち始めた。アツイ。
渚は、ほんの数センチ顔を離すと私の目を真っ直ぐに見つめて、またあの意地悪な笑みを浮かべた。
「熱くなっただろ。」
「っ…、」
何て、意地悪な男。
でもやっぱり、好き。
きゅっと、指と指を絡めるようにどちらからともなく繋がれた手。
頬は、まだ赤いまま。
この熱は、まだ暫く冷めそうにない。寒くない。
《もし、冷めたとき?》
…そんなの、この意地悪な男がまたいくらでも温めてくれるよ。
私は渚に、渚は私に、
依存してるんだから。
end