占い師の恋【完】


突然降ってきた渚からの口づけ。驚きで瞬きを繰り返している私。

…え?え?え…?


゙ぼっ゙と効果音がつきそうなほど、一瞬で頬は赤く染る。暴れ出す心臓と共に、全身が一気に熱を持ち始めた。アツイ。


渚は、ほんの数センチ顔を離すと私の目を真っ直ぐに見つめて、またあの意地悪な笑みを浮かべた。



「熱くなっただろ。」


「っ…、」



何て、意地悪な男。
でもやっぱり、好き。


きゅっと、指と指を絡めるようにどちらからともなく繋がれた手。

頬は、まだ赤いまま。
この熱は、まだ暫く冷めそうにない。寒くない。




《もし、冷めたとき?》



…そんなの、この意地悪な男がまたいくらでも温めてくれるよ。

私は渚に、渚は私に、


依存してるんだから。



 end

< 393 / 402 >

この作品をシェア

pagetop