占い師の恋【完】
興味が本気になる瞬間
side:青
「兄貴、コノ子、誰。」
「あー?」
――大学からの帰り道。
校門の前に車で迎えに来てくれていた兄貴の車に乗り込んで家へと送ってもらう途中。
゙杉山さんべと(ご丁寧にハートまで)書かれた封筒を車の中で見つけた俺は、遠慮なく勝手にそれを開けた。
中に入っていたのは…写真。たくさんの人が映った、集合写真のようなものだ。
一番後ろの端っこに映る兄貴は、笑っているけど面倒くさそう。コイツ写真嫌いだしなあ。
…そんなことよりも俺が目を奪われたのは、兄貴の隣に映っていた一人の女。
あまりにも真っ直ぐで強い瞳をこちらに向けて…、ってよりはこちらを睨んでいる、女。