占い師の恋【完】
写真の中のその子に指を指して、兄貴に近づける。チラリと一瞬それを見た兄貴は、「ああ」と呟き笑った。
「茉希ちゃんな。」
「茉希…。」
兄貴は頷くと、ゆっくり言葉を紡ぎ始める。
「後輩なんだけど、写真見たまんまのすっげえ美人。でも人に媚びたりしないし、真っ直ぐすぎる子だよ。」
「ふうーん…。」
「一緒にいて、面白いよ。」
「…。」
もう、相槌をうつことはしなかった。十分すぎる゙情報゙をもらった。
確かに、俺も写真の中の彼女を見た瞬間思った。美人だ。全部のパーツが綺麗、でも少し長い黒髪が彼女を隠しているとも思った。
けど…、女がカメラをここまで睨むか普通。
現代には自らをカメラで映すプリクラというやつだってある。