占い師の恋【完】
「…はい。」
“あ、茉希(まき)ちゃん?悪いんだけどさ、今日のバイト今から来てくれない?”
「今から…ですか?」
電話の相手はバイト先の店長。
嫌な予感はしていた。朝一番の電話なんて、大体がシフト変更だからだ。
暫く考えたものの、お人好しで、断りきれなかった私は渋々OKを出した。
――というのは嘘で。
「嫌です。てか無理です。」
“そこをなんとか!頼むよ茉希ちゃん。”
「シフト変更ありすぎです。先日も私、半日のはずが一日になったんですから。貴方の所は労働法無視ですか。」
『むむむ……。』
なんだむむむって。嘘っぽいその唸り声に腹が立ったが、そこは突っ込まないでおいた。
だって、後々この人面倒くさい。