占い師の恋【完】
「茉希ちゃん…嫌だけど、約束だからね。休暇出したげる」
渋々、私にそう告げた店長に軽く会釈をし
カレンダーを見る。
約、三週間ぶりのお休み…。青と再会して別れてから、今日で5日。
……私、どうかしてる。
青に゙会いたい゙なんて思っちゃうなんて。
「……休暇、どうする?」
「…、どういう意味ですか?」
突然の意図が掴めない店長の質問に少し怪訝な顔をして、視線を向けると。
「いや…何だか、あんまり嬉しそうじゃなかったからね?」
「、」
違う?と小首を傾げ、店長はフッと微笑む。そしてソファーにゆっくりと腰掛け話し出した。
「占い師のバイト、なんてさ。普通は無いよねえ。」
「…そう、ですね。」
「この職業が、バイトで収まる職業じゃないのは僕も分かってるんだ。」
一瞬、切なげに目を細めて笑う姿はまさに゙悲しい恋゙の結末を物語っている。