占い師の恋【完】
どこか遠くを見つめるような、悲しさが溢れ出している瞳。
…私だって思った。
この仕事のアルバイトって、有り得なくないか?と。
「…僕はね、占いって初めは信じてなかったんだ。」
あ、今もかな
そう笑って付け加えた店長。
「でもね。偶然知り合ったある占い師さんに、僕やられちゃってねえ。」
テヘッと舌を出して頭の後ろに手を添えたポーズをとる店長に向け、出かかった言葉を飲み込み耐えた。
「…彼女の占いは、僕自身も知りたくなかったことをどんどん当てていった。そりゃあ、気持ちがいいほどに。でも…彼女はそれからすぐに病気で亡くなってしまって。彼女を超える占い師をずっと探してるけど…、
やっぱり見つからなくってさあ。」