占い師の恋【完】
悲しそうな雰囲気を纏い笑う店長を見ていて、ある一人の女性の顔が浮かんだ。
綺麗で長い黒髪を結い上げて、天真爛漫。
私に…占いを教えてくれた人だ。
「もし、見つけたとき。いきなり占い師として働け、なんて言われたら困惑するでショ?だったらまだ楽に出来るアルバイトにしちゃえばいいや!って思ったんだ。」
――――…なるほど。実に店長らしい発想だ。
最近までただの趣味でやってた占いを急に本職としてやれなんて言われても、不安で怖くて…無理だと断るに決まっている。
「…茉希ちゃん。君の占いは、彼女によく似ている。」
ジッと私の目を見つめてくる店長。
店長の考えていることは多分当たっているだろう。