占い師の恋【完】
パタンと、私の前にいる男の後ろで閉まったドア。
「しー。」
私の口の前で自分の綺麗な人差し指を真っ直ぐに立て、微笑む。
その顔に腹が立ち、私の顔の前にある青の手を叩いた。
「早く出て行ってよ馬鹿、変態、人類のクズ!」
「…茉希。最後のは人権的に傷つくよ。」
悲しそうな顔をわざとらしく作る青を無視して、さっさと部屋の中に戻る。
低血圧な私には、朝からの苛々は最悪すぎる。こんな事なら了承するんじゃなかったと思うし壁とか殴りたい気分だ。
「コレが茉希の部屋か。」
「っ!?…何で入って来てんのよ!」
突然後ろからかけられた声に、肩が大きく跳ね上がった。
平然な顔で私の部屋を見回す青を強く睨むがいつも通りの笑顔で軽く流されてしまう。