占い師の恋【完】
何だか、゙買い置ぎという言葉に恥ずかしくなった。
特に意味なんてないんだけど…、私の気持ちなんか分かるわけない青にチラリと視線だけ向けると、携帯を見て怖い顔。
どうしたんだろう…?
珈琲を飲みながら見る青の眉間にはしわが寄っていて、でもこれが素なんだろうなって思った。
だって、本当に怒ってる。
それも、切なそうに…。
と。
丁度珈琲を飲み終えた頃、携帯を閉じてこちらに目を向けた青の顔はまたいつもの胡散臭い笑顔に戻っていた。
「じゃ、行こうか。」
「は?どこに。」
「どこって…デートに決まってるでショ?」
行くよ、と言って私の腕を引いてくるのを「待て」と呼びかけてストップさせる。
何?って顔で私を見下ろす男に、焦りながら伝える。