占い師の恋【完】
「私、着替えたって言っても部屋着なんだけど!」
「いいよ別に。可愛いし。」
「……。」
前触れもなく急に言われたお世辞。
そりゃ、お世辞を言うのにこれから言うよーなんて報告されたらただの嫌味だけどさ。
私の場合、やはり男に免疫がないからどう反応すればいいのか分からない。
せれなのに、この男は当たり前のように…か、可愛いなんて言うから。
「…お世辞だ馬鹿…!」
「え?何か言った?」
「何も!」
聞こえないように、小声で。この意味が分からないような気持ちは、私の胸の中だけに。
そう言って軽く、青の背中を小突いた。