占い師の恋【完】
「愛されてるね、まっきー」
「ま、まっきー?」
急に何を言い出すか。
棗さんは目を輝かせながら私に詰め寄る。
あんたのせいでしょと青を見るが、もうとっくに私を見ておらず…、その視線の先はアクセサリーに集中。
「茉希ちゃんだからまっきーだよ。
すごく可愛いっ♪」
「あ、ははは…」
「まっきー本当に羨ましいな。あっ君なんでショ?」
「何が…?」
突然意味が理解できない質問に、今度は自然に眉間に皺ができる。
棗さんは一瞬キョトンとしたがすぐに笑って言った。
「ピアスだよ!ジンクス付きの、ね」
と、ウィンク付きで話してくれた棗さんはお世辞なしで可愛かった。
私がもし男なら、今の攻撃で一発KOだったかも。
って…、そろそろ棗さんの誤解を解かなくちゃまずくないかい?
棗さんは今回はペアではなく、私に似合うアクセサリーを選んでくれている。
「あの…棗さん、」
「さん付けなんてしなくていいよ~」
「じゃあ…、棗ちゃん。
あの、何か勘違い…」
「茉希コレ見て!」
人が話してる途中に横から出てくんな阿呆!
そんな意味を込めた盛大な溜め息を一つはくと。
視線を向けた青はこっちこっちとガラスケースを前に手招きをしている。