占い師の恋【完】
なんだという溜め息をおまけして近づく。
ふっと私を見て笑うと、その視線を再びガラスケースへ。
「何なの。」
「ほら、コレ」
青がトントンと指で叩いたガラスケースの丁度真下には、セットで二つネックレスが並んでいる。
青い石と赤い石がついた羽のような形をしたハート。
普通に可愛いと思う。
けど、
「コレが、何?」
「俺と茉希みたい」
うん。何でだよ。
やけに嬉しそうに話す青は理解し難い。
どこをどうしたらその結果に行き着くんだ。やっぱり、ちょっと頭がイタい人なのかも…。
そりゃそうだよね。
イキナリ人の家に押し入るは、抱きつくはで。かなり重症なのかもしれない。
「あ。今失礼なこと考えてるでショ」
「(そりゃ誰だって考えるだろーが。)」
私からの冷ややかな視線はあえて無視されて、私の方がへこむという始末。
なんなんだ、一体。
くすくすと堪えているがもれて聞こえる笑い声に、苛々。
「俺がね、青。まあ、青って名前だし?」
「……で。」
「赤が、茉希。赤い石は勝負運が欲しいときに身につけるんだよ。
茉希によく似合う」
「……。」
結構、照れるんですけど。