占い師の恋【完】
「まっきーにそう言ってもらえると、嬉しいな。今度は2人でご飯でもどう?」
「是非。占いにも来て。」
「うん!あ、アド教えてよ。」
こくりと頷いて、バッグから携帯を取り出す。
「橘…棗、と。」
「うん!棗も登録完了♪また連絡するね。」
「ありがとう。待ってる。」
お客さんだ、と言って私に手を振ってレジへと走って行った。
顔はお人形さんみたいに可愛くて、見た目お嬢様系なのに…。
実際話すと明るくて、よく喋る。
すごく優しい人だ。
ブレスレットを見て、小さく笑った。
「お待たせ~。」
何時の間にか帰ってきていた青は、私と目が合うと口元に綺麗な弧を描き微笑んだ。
行こっか。
それだけ言うとそっと私の手を握り歩き出す。
帰ると言うから家だと思っていたのに、家とは真逆へと進む。
どこに行くのかと訪ねると、今度は普通に答えが返ってきた。
「キャリィっていうお店。」
「何のお店?」
「俺の友達の店。」
「いや。゙誰の゙じゃなくで何の゙お店?」
「……。」
何の店だよっ!!
何で黙る!?