占い師の恋【完】
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またしばらく青に引っ張られるままに歩いて、到着したのはレトロな外見の美容院だった。
勿論、意味が分からない私は怪訝な顔で青を睨み上げた。
「あんた、何がしたいわけ。」
「んー。イメチェン?」
「不審者をさらに不審者に近づけるって?」
「あはは何それ。」
「黙れ変態不審者。」
「…。」
お店の前でこんな会話を交わす私たちは、はたからどう見られているのだろう。
どうこうしている内にお店の自動ドアが開いた。
「店の前で何イチャついてんの。」
耳に響く声ば興味゙を含んだ、どこか楽しげなハスキー。
「女の子とじゃれちゃって。
女嫌いなお前にしては珍しいじゃん?」
「心配どーも。」
久しぶり、と会話を交わす変態とそのお友達らしい男。
青は綺麗な顔をしていると思う。
そこら一般のモデルや芸能人よりはよっぽど綺麗。
けど……。
お友達と思われる男の顔をチラッと覗き見。
なんだ、こいつら。