占い師の恋【完】
「え、なんで?俺マジなんだけど。」
「そんなわけないじゃないですか。私が美人なんて言われた日には、世界中の美人さんに土下座しますよ。」
「…。」
驚きに目を見開く風見さんを、勝ち誇ったように鼻で笑う。
と、声をあげて笑われた。
風見さんはお腹を押さえて、ヒーヒー言いながら。
涙目になっている。
何がそんなにうける?
「は、腹…いて、死ぬ!」
「(そのまま笑い死んでろよ。)」
あまりに笑われて。
私の中でイライラが最高潮に達しようとしていたとき。
先ほどまで黙っていた青が軽く風見さんを小突く。
「コラ。あんま茉希を怒らすな渚。」
「ははっ、悪ぃ。つい。」
何があったら゙つい゙であそこまで笑えるんだ。
笑われすぎたら結構泣きたくなる。わあ、新発見じゃん私。
「ごめんな、っと…茉希。」
「(…、呼び捨て?)」
「お詫びに色々としてあげるよ。金は青に払ってもらえばいいし。」
「嫌です、てか色々ってなんですか。」
「色々は色々だよ。」
「会話になってません。横着しないでください。」
「じゅーぶん成立してる。気持ちいいくらいだ。」
「あなたに゙気持ちいい゙なんて言われたら、゙気持ちいい゙って言葉が可哀想です。」
「おいコラ。それは人権的侵害だ。」