占い師の恋【完】
「(暴力営業者め。)」
仕返しの意味を込めて、思いっきりつま先をかかとで踏んでやる。
「いっ…!て、めぇ…!!」
「ざまーみろ。」
「チッ。青、お前の女乱暴者だ。」
小さく舌打ちして青に言葉をふる。
てか、どれもこれも全部あんたの営業者らしからぬ言動とかのせいだろうが。
ソレを見ていた青はいつも通りの笑顔で
「茉希らしいでショ。媚びたりしない所が。」
あはは、と笑いながら優しく私を見つめて言う姿にちょっと胸が高鳴った。
まあ、そんなんはほんの一瞬で。すぐに風見さんがぶち壊す。
「ちょっとくらい媚びもないと残念になるぞ。」
「どういう意味ですかそれ。勝手に私を残念な人間にしないでください。」
「ちょっとは甘えたりした方が可愛げがあるって言ってんだ。」
「ご忠告どうも。」
多分、私と風見さんとの間で゙まともな゙会話というものはあまりっていうか、ほぼ成立しない。
必ず罵りあいやらが始まってしまうみたいで。
「チッ。」
「俺の舌打ちだ。勝手につかうな。」
「誰が決めたんですか。皆に平等なんじゃないんですか?」
「俺に決まってんだろ。当たり前だろ、そん中でお前を特別扱いしてやってんだ。感謝しろよ。」
「へー。これが特別かあ。私の中で特別って、優しくされるってことだと思ってたんですけど。」
「ああ?お前の妄想だろ。」