【キセコン】お寒いのがお好き
◆年末です。
*空は鈍色-そらはにびいろ-
「……」
20代後半の青年は、とある一軒の家の前に立っていた。
彼の名は向井 時弥(むかいときや)、自衛隊員である。年末年始の休みをもらい実家に帰ってきたという訳だ。
どうして彼が家に入るのを躊躇するのか──姉がいるからだ。
休みになると弟である彼を連れ回し荷物持ちから雑用までさせる。
数年前に結婚した姉の茜は親よりも彼をこき使う。
彼の道筋を決めてきたのは全て姉だ。それが苦痛という訳でもないのだが、今度はどんな事を言い渡されるのか……その点が注目である。
さして重たくもない足取りで一般的な家庭の門を開き鍵を差し入れてドアを開く。
時刻は昼少し前……ドアを開くと年末らしいテレビの音が微かに耳に聞こえてくる。
実家への土産と少しの荷物を抱えてリビングに向かうと、そこにいた3人の目が一斉に時弥に注がれた。
20代後半の青年は、とある一軒の家の前に立っていた。
彼の名は向井 時弥(むかいときや)、自衛隊員である。年末年始の休みをもらい実家に帰ってきたという訳だ。
どうして彼が家に入るのを躊躇するのか──姉がいるからだ。
休みになると弟である彼を連れ回し荷物持ちから雑用までさせる。
数年前に結婚した姉の茜は親よりも彼をこき使う。
彼の道筋を決めてきたのは全て姉だ。それが苦痛という訳でもないのだが、今度はどんな事を言い渡されるのか……その点が注目である。
さして重たくもない足取りで一般的な家庭の門を開き鍵を差し入れてドアを開く。
時刻は昼少し前……ドアを開くと年末らしいテレビの音が微かに耳に聞こえてくる。
実家への土産と少しの荷物を抱えてリビングに向かうと、そこにいた3人の目が一斉に時弥に注がれた。
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