【キセコン】お寒いのがお好き

*あけまして

車で三十分の所にある神社に向かう。

 神社近くの広めの道路に駐めて街頭の灯りを頼りに歩いていくと、初詣に行く人たちと合流する。

 到着するとすでに人は大勢いて賑やかな音が響いていた。

「目当ては破魔矢とおみくじよ」

 言って時弥の腕をグイと引き寄せる。

「わ!? ちょっと姉さん……ま──っ」

 顔を上げた時──目の前に人がいて見上げた。

「……」
「……」

 お互いに見知った顔だ。

「……あけましておめでとう」
「今年もよろしくな……」
「! あら、杜斗くんだっけ」

 茜の強引な説得に杜斗は仕方なく行動を共にする事になった。
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