【キセコン】お寒いのがお好き
「注意した」と言えば正義感からだとも感じられるが、彼女は穏便な言い方はしていないと時弥は考える。

 そして出てきた時弥を指さしこう言った──

「文句があるなら今出てきた男を倒してから言いなさい」

 うん、きっとそうだ。

 時弥は1人納得して自分の目の前で立ち止まったやや背の高い青年を少し見上げた。

「俺に何か用?」

「……」

 無言の威嚇で男たちは見下ろす。

 1人がぴくりと動くと、姉がすかさずどちらの援護をしたいのか解らない言葉を投げかけた。

「そいつは自衛隊員だよ~」

「!?」

 男たちの表情が一瞬で曇る。
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