angel ring
それから私達は何度かデートを重ねた。

優君は最初に言った通り、キス以上の事はしてこなかった。


もうすぐ付き合って一ヶ月。


私達…このままキス以上の事しないのかな…




「玲ちゃん明日仕事だから、今日はもぉ遅いしそろそろ帰ろっか!」

車に乗り込むなり優君が言った。

私は優君の胸にもたれるように顔を寄せた。

「どうした?」

優君が頭を撫でてくれる。

「ねぇ…まだ帰りたくない…」

優君は少し困った顔をしながらも

「本当かわいいなぁ…」

そう言ってキスしてくれた。


長い長いキス…



「愛してるよ…玲…」

優君に初めて呼ばれた【玲】って言葉にドキッとした。

「優君…」


……………………。


「ごめん!!」

そういって優君がいきなり私から離れた。

「どうしたの?」

「俺…我慢するって言ったけど…やっぱもぉ限界かも…愛してるからこそ俺は玲の事抱きたいんだけど!!」

優君の言葉が嬉しかった。



愛の形ってたしかに大事だからこそ簡単に手を出せないっていうのもあるけど…


愛してるからこそ、その人を抱きたい。抱かれたいって思うもの。


それも愛の形なんだよね…。


優君に言われて初めて気がついた。

エッチってギューやチューの延長で好きだからこそ、したいって思うのは当然の事だもん。


「うん…」


私はその日初めて優君に抱かれた…


抱かれてこんなに幸せだって思えたのは初めてだった。

< 16 / 38 >

この作品をシェア

pagetop