angel ring
私達は結婚式はあげていないものの籍を入れ、一緒に暮らし始めた。

優は日々大きくなっていくおなかの私を優しく気づかってくれた。

最初は変わっていく自分の体に不安になる事もあった。

だけど優はこんな私でも変わらず愛してくれた。


幸せ過ぎる位穏やかに過ぎて行く日々。



「あっ!動いた!」

初めて感じる胎動

不思議な感覚…

私と優の赤ちゃんがここにいる…

おなかの中で成長していく我が子がたまらなく愛おしかった。



胎動はますます激しくなり夜に目がさめる事もあった。

「痛っ…!」

両足でグーッとおなかの中から力強くつきあげくる

目で見てもわかる胎動に優は慌てた様子で

「ちょっ!!まじ大丈夫かよ?今すぐおなかの皮破って出てきそうか??」

優は本気で心配しているのか

真面目な顔をしてありえない事を言う。

私はおかしくて笑いが止まらなかった。

「あははは!そんな訳ないでしょ〜元気なだけだから!」



それを聞いて優はちょっと安心した様子で…私のおなかをなでた。

「俺は男だからわかんないけどさ…でも玲もおなかの子もすげぇ大事だから心配なんだよ!俺…出産は変わってやれないけど…玲と赤ちゃんの事幸せにするからな!」

優の言葉が私をどれだけ勇気づけてくれた事だろう…

私は出産が近づくにつれ【どれだけ痛いんだろう】とか未知の世界の事に不安を感じていた。

でも優の言葉を聞いて女の人じゃないと経験できない事に誇りを持ってこの子を産もうと思った。

それから私の中で出産に対して不安から自信へと変わっていった。

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