透視眼鏡【BL】
静かな生徒会室には、
衣擦れと水音、くぐもった声だけが響く。
「……っ、」
背中に走る痛みに、
小さく息を漏らす副会長。
「ぁ、ごめ、さ……っ、は、」
会長が回した腕を解こうとするも、
それを制し、元よりも深く、抱き込んだ。
「いいですから、
もっと集中してください」
その言葉に頷き、相手の首に頭を摺り寄せ
意識をただ行為へと向け直していった。
***
っていう電波を受信しました!
透けて見えた会長の脚には、
どう見ても最近できたようなひっかき傷。
そして副会長の背中には爪痕。
……これはもう、間違いないんじゃないか
それぞれの相手が違うかもしれないけど。