心獣
美玲の手を掴み、学校に向かい走った。潤の肩に通行者の肩が何度ぶつかったことだろうか。
「えっ、え。潤くん。何してんの。」
美玲は足を止め、潤の手をクイッと引いた。潤は又もや地面に転んだ。
今度は顔から派手に転び、流石にこれには潤も怒った。
「何すんだよ。お前が何かやばそうな状況だったから助けてやったのに。」
潤は鼻から血を流しながら言った。又もや周りに人がちらほらと集まり始めた。
美玲は顔を赤く染め、潤に一声謝った。潤は謝って当然だろと言わんばかりの顔で美玲を見下ろした。
『キーンコーン』