《続》ポケット
フタリキリノ…
「それで……した、の?」
近くにあったファミレスで、千夏と話していると急に千夏が言った。
飲みかけていたコップの中の氷がカラン、と涼しげな音を立てる。
「今…なんて……」
いきなりの千夏の質問に驚き、動揺を隠しきれずに、動きが止まってしまう。
「だから、したの?…キス。」
きっと、多分いまの私は目が点になっているだろう。
……千夏ってこんなだったっけ。
何と言うか…男前って言うか…
「…今、こんなやつだったっけ?とか思ってるでしょ。」
千夏がコップにささっているストローで飲み物をかき混ぜながら言った。
ズバッと考えていたことを当てられた私は、慌てて飲み物に手をかける。
私…、そんな顔に出てるのかな?
「ま、いいんだけど。…で。どうなの?」
千夏にはっきりと聞かれ、一口だけ残っていたケーキを口に運び近くにあった飲み物で渇いた喉を潤してから、口を開いた。
「―――…実は…」