《続》ポケット


「……や、やっぱりだ、だめだっ…「似合うじゃん!」


と、もうとっくに自分のは選んだのか、あかりちゃんと千夏は手に水着を持っていて。









「駄目だって、こんな…」






「じゃあ彼女に負けちゃうよ?大好きな"はる君"がとられてもいい?

彼女、容姿は良いからなあー」








と千夏はわざとらしく言う。









「流石にこれは……」








だって千夏が選んだやつはビキニで。






それもこんな紐、って流石にやり過ぎでしょ。








「んー、じゃあこれだったらまだ良いんじゃない?」







とさっき千夏が持ってきた大量の水着の山からあかりちゃんが一つ取り出して提案する。








あかりちゃんが私に提案してくれたのはビキニに、スカートが付いたもの。









ビキニ自体の色も白で、スカートもベースが紺で、お花柄が混ざってて、女の子らしさを意識しているもの。



………これだったらまだマシ。








…あかりちゃん、よくわかってる。








目でこれがいい、と訴えてみれば




「もー、スタイル良いのに勿体ないな、あゆ。


ま、いーか。試着してみ。」







とため息をつきながら了承してくれた。






試着し終わってサイズが合うことだけ確認して、三人でレジに並んだ。





買い終わって別れれば一つ、疑問が浮かぶ。








どうして、千夏は私のサイズを知っていたのだろう。







言ったっけなー、なんて考えながら帰った。
< 34 / 42 >

この作品をシェア

pagetop