《続》ポケット
「あの……ごめんなさい。」
電車に体を揺らされつつ、頭を下げれば急にバランスが不安定になり、体が傾き倒れそうになる。
「…危な」
そういい、はる君は倒れかけた私の体をしっかり支える。
「ありがと。
その…あの日は、今日のために千夏たちと…買い物行ってただけなの」
はる君の袖に掴まりながら本当の事を言えば。
「ちゃんと話し聞いてあげなくてごめん」
ふわりと、風かと思うくらい優しく頭を撫でられて。
はる君と仲直り出来た事に、ホッとする。
ホッとし過ぎて、気が抜けたのかそのままはる君の胸の中で、意識が飛んだ。