《続》ポケット
――…あの日から、数日がたっていた。
初めて、はる君の気持ちを聞けてようやく自分の気持ち自身にも素直になれた……けれど。
実はあの日……あの後はる君のお母さんが帰って来ちゃって…
キスをする寸前でお互いに離れたから…
キスは………………してない。
けれど、もうお母さん達が旅行に行って、いなくなってしまったから家では、はる君と……二人きり、なんだけれど。
あの日から、あまりにも気まず過ぎて……正直二人にならないようにしてた。
千夏や、あかりちゃんの家に泊まらせてもらったりして極力、避けていたんだけれど……。
毎日、毎日お世話になるわけにもいかず。
今日は………………二人きり。
「…じゃ、今日はラブラブしてくるわけだ。」
全ての話を聞き終えた千夏が笑顔で言った。
「なんでそうな…」
「じゃ、そろそろ帰ろうか」
私の言葉を遮り、立ち上がった。
「千夏、待ってよー…」
…あぁ、いま
……………ほんとに、泣きたい。