初恋向日葵

先輩とあったこと。
服をびしょびしょにして、乾かしたこと。
先輩が違う女の子の名前を呼んだこと。

最後に話終わったら一粒涙が出た。
でもそれ以上は出なかった。
出なかったんじゃなくて、ださなかった。

舞に心配かけたくなかったから。

「花梨。もしかしたら、これから高校生活、今より楽しくなるかもね」

え、私相談したのになんかニコニコしてる。

「ね、ねぇ舞?私なんでこんなに苦しいの?」

「そーれーはっ」
と大きい声を出して、

「自分で考えなっ!」

と、胸をポンっと叩いてウインクした舞はウフフと笑っていた。
せっかく美人なのに不気味な声だしちゃって。

「舞ー」

「頑張って!」

「なんかわかんないけど、頑張るよっ」

「ウフフ・・・もうっ可愛いんだからぁ」

そして舞は私の背中をバシッと叩いた

「なによ〜、もうっ」

「別に〜っ」

と、笑い合う。
舞の期待(?)に答えなきゃ!

頑張ろうっ

少し私は前向きになれた。

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