初恋向日葵
私の目の前には
太陽に向かって顔を上げているたくさんの向日葵があった。
「凄い。綺麗。」
私より背が高い向日葵に
思わず手を伸ばす。
「ん〜」
あと少し。
でも、やっぱり手は届かない。
「はぁ」
なんだか少しがっかりして、その場に座り込んだ。
「あ、」
向日葵が咲いている花壇の土がカラカラに乾いているのに気がついた。
「よしっ!」
私は近くにあったホースを引いて、勢いよく水をだす。
「すっごい綺麗だね」
向日葵に話かけるようにつぶやいた。
「私も貴方みたいに上を向けたらな」
と、なんだかシュンとした気持ちになった。
向日葵の太い茎に触れたその時。
ぐいっ
「ぎゃあっ」
あたしは向日葵の花壇の中に引っ張られた。
「し、だまれよ」
「え、」
上を見ると、茶髪でシルバーのピアスが目立つ男の人がいた。