RaisonDetre
首都ルーゼンブルグでは他の国とは比べ物にならない領土の広さを持っていた。

それ故首都の中心にある一際目をひく大きな公爵ウォルバン家の城には騎士(シェバリェ)になるため毎年入団試験が盛大に開かれるという催しも開かれていた。

街では出店やお祭りムードに包まれ1週間は夜も明かりが途絶えることはない。

だが、今年は入団試験よりも城下の話題になっているものがあった。


ウォルバン家の時期頭主エトワール・ウォルバン 17歳の婚約披露宴が入団試験の一ヶ月後に行われるらしいのだ。


「おっ・・・お父様ぁーーーッッ!!!???」

勢いよく王室の扉が開かれたかと思うと同時に慌てふためいた様子のエトワールが甲高い声を上げた。

「ど・・ぅいうことですの!?婚約だなんて!」

「どうもこうも・・・。もうお前も17歳だしそろそろだろうと思ってだな。」

思ってだなって・・・わたしはまだ″17”歳です。

紅茶をすすりながら何気ない風に答える父にエトワールは驚きを隠せない。

「だって、相手は今回の入団試験で騎士団長に任命された方ですわよ!?」

男は強くたくましく!と人差し指を立てて見せるとガハハと笑った。

「お父様・・・。」

大丈夫なのだろうかこの人がこの国の王で・・・。

2つのことで頭を抱える羽目になったエトワールはやりきれない様子で自室へと戻った。
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