RaisonDetre
なんだこいつはというように馬上の男を睨む。

「なんだお前、何か気に食わないことでもあったか。」

美しい黄金の髪が太陽の光を浴びて輝いている。立派な服はその整った容姿に似合っていた。

「気に食わないも何もこいつが入れてくれないんだよ。」

半ば吐き捨てるように言うと男はしばしの沈黙の後門番に顔を上げるように言った。

「この男を入れてやれ。」

「ハッ･･･。」

今まで強情だった門番がすんなり通してくれたではないか。運がよかったがなんだこの男、目つきは悪いし無愛想だし。

「お前名は。」

「は？」
突然問われて驚いたクライドは足を止めた。それでも男は止まらなかった。

「同じことを二度も言わせるな。」
「ク･･･クライド・ベレスフォードだ。」
大通りに出ると男は馬を止め、セシル・オールブライト。と告げると袋を投げつけてきた中には金が入っている。

「？」
「髪を切って身だしなみを整えて明日の朝城に来い。」
「は!?」

自分の用件を言い終えるとセシルは馬を走らせ返事も聞かずに行ってしまった。

意味が解らない。


< 4 / 7 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop